虫の知らせとキッサコと光明真言
COLUMN
ある休日の早朝ふと目覚めて、
ベットの中でまどろみながら
何気なくipadを手にとってYoutubeを開くと、
おすすめに表示された
1人のお坊さんが拝むクールジャパンな感じのサムネイル。
なんだろこれ?
と、気になってクリックすると
ハイクオリティーな寺院の映像とともに、
「般若心経」がシティーポップ風のミニマムなビートにのって流れ出す。
庭園を背にして縁側に腰を下ろし、一心にお経と唱える僧侶と
襖絵の前で、前衛的な動きをする坊主頭のダンサー。
淡々とリフレインするトラックに、
スポークンワード的なお経が合わさり
なんとも言えないグルーブを醸し出す。
早朝の凛とした空気と相まって、
映像から感じるマイナスイオン感が半端ない。
そんな映像を眺めているうちに
長いこと忘れていた、昔の記憶を思い出した。
中学生の頃だったか
祖父の法事の折に、住職がお経の説明をしてくれて
薦められた一節のお経を覚えたことがあった。
はて、どんなだっけ?と記憶とたどってみると
「おん あぼきゃ べいろしゃのう まかぼだら まに
はんどま しんばら はらばりたや うん」
最初の数ことがでると、後は口が勝手に動き出す。
意外と覚えているもんだなと
我ながら関心していると、
動画の上の日付と時間が目に入った。
5月9日
今日は祖父の命日だった。
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